ソースコードで学ぶWebプログラミング

[PHP]カレンダーの作り方

カレンダー表示は、ブログの更新状況から営業・休業スケジュールの表示、予約受付フォームの表示など用途は多く、広く使われています。今回はPHPで、実務でも必要になることが多いカレンダーを作成してみます。

PHPでカレンダーを作る方法

Webプログラムでカレンダーを表示するには、どのような機能が必要となるか洗い出してみます。まずカレンダーは、年と月が特定されて初めて表示できるものです。そこで年と月をブラウザから指定できる構成にします。

またカレンダー上には、第一週や最終週に前月や翌月の日付も表示されるものがあります。今回は、この機能も実装してみます。

1.データ「年、月」を受け取る ・GETリクエストで受け取る 2.データ「年、月」を表示データ「日付リスト」に変換する ・表示データは、曜日ごとのカレンダー形式で表示する ・表示データには、前月の日付、翌月の日付も含める 3.表示データを表示する ・カレンダーは、日曜から表示する ・土曜、日曜、祝祭日で色を変えて表示する

PHPで月の日付の配列を作成する

カレンダー表示で必要となるデータは、カレンダーに表示する「日付リスト」です。これは指定した月については、月の日数が分かれば、求めることが出来ます。また第一週に含まれる前月分の日付リストは、月初1日の曜日から算出できそうです。同様に最終週に含まれる翌月分の日付リストも、月末の曜日から算出できそうです。

<?php /* タイムゾーンの設定 */ date_default_timezone_set('Asia/Tokyo'); /* GETリクエストから取得 */ function gGET($key,$def=''){ return isset($_GET[$key]) ? $_GET[$key]: $def; } /* 年の指定 初期値を当年に */ $y = gGET('year',date('Y')); /* 月の指定 初期値を当月に */ $m = gGET('month',date('m')); /* 指定年月の月の日数 */ $t1 = date('t',mktime(0,0,0,$m,1,$y)); /* 指定年月の月初曜日 */ $w1 = date('w',mktime(0,0,0,$m,1,$y)); /* 指定年月の前月の日数 */ $t0 = date('t',mktime(0,0,0,$m-1,1,$y)); /* 指定年月の月末曜日 */ $w2 = date('w',mktime(0,0,0,$m,$t1,$y));

PHPでは、date('t')で該当する月の日数を、date('w')で曜日を取得することが出来ます。またdate('フォーマット',Unixタイムスタンプ)で指定した時刻のデータを取得できます。タイムスタンプは、mktime(時間,分,秒,月,日,年)で生成できます。

曜日は0-6の数値になっていて、0が日曜で6が土曜になります。週は7日あり、月初1日の曜日が土曜(6)の時、第一週の前月分の日付は、日曜スタートのカレンダーでは6日あります。日曜(0)の場合は、0日になります。

また前月の月末日が31日だった場合、6日分のリストは、26,27,28,29,30,31になりますが、開始日を求める算出式としては 31-6 +1=26 で1足せば求めることが出来ます。

/* 月の第一週に含まれる前月の開始日を算出 */ $st = $t0-$w1 +1; /* 前月の第一週分の日付を生成 */ $days = $t0<$st ? array(): range($st,$t0); /* 指定年月の日付を生成 */ $d1 = range(1,$t1); /* 月の最終週に含まれる翌月の最終日を算出 */ $end = 7 -($w2+1); /* 翌月の最終週分の日付を生成 */ $d2 = 0<$end ? range(1,$end): array(); /* 生成した日付を一つの配列に統合 */ $days = array_merge($days,$d1,$d2);

PHPでは、range()で指定した範囲の値の配列を作成できます。最終週に含まれる翌月の日付は、月末の曜日が土曜(6)の時、0日で、日曜(0)の時、6日あります。よって、7 - (曜日+1) で求めることが出来ます。

/* 週7日毎に配列を分ける */ $days = array_chunk($days,7);

日付リストはカレンダー表示の場合、7日毎に分けてあれば表示する際に処理しやすいです。PHPでは、array_chunk()で配列を指定した数に分割できます。

PHPで休日を設定する

祝祭日を算出するアルゴリズムを構築する方法もありますが、今回は休業日などに対応するため、配列に設定するかたちで実装します。

/* 休日を判定する関数 */ function is_holiday($date){ /* 2019年分 */ $set = array( /* 祝祭日 */ '20190101', '20190114', '20190211', '20190321', '20190429', '20190503', '20190504', '20190505', '20190506', '20190715', '20190811', '20190812', '20190916', '20190923', '20191014', '20191103', '20191104', '20191123', '20191223', /* 休業日 */ '20190102', '20191230', '20191231', ); return in_array($date,$set); }

PHPで日付リストをjsonデータとして返す

javascriptで動的に表示を切り替えたい場合は、jsonデータで渡すことになります。PHPでは、json_encode()で配列や連想配列をjson形式に変換することが出来ます。

/* jsonデータを出力する */ header('Content-Type: application/json; charset=utf-8'); echo json_encode($days);

今回は、ブラウザで年月の指定も行いたいため、jsonデータをtextarea内に出力する構成で作成します。土曜は青色、日曜は赤色の文字色にし、前月、翌月の日付は灰色で表示する予定としてcssも作成しています。

/* htmlデータで出力 */ if (gGET('type')=='html') { /* jsonデータで出力 */ } else { $html = '<textarea>'. json_encode($days) .'</textarea>'; $r1 = ' checked'; $r2 = ''; } ?> <title>[PHP]カレンダーを表示</title> <form> <input type="number" name="year" min="0" max="3000" value="<?php echo $y; ?>">年 <input type="number" name="month" min="1" max="12" value="<?php echo $m; ?>">月 <label> <input type="radio" name="type" value="json"<?php echo $r1; ?>>JSONデータ </label> <label> <input type="radio" name="type" value="html"<?php echo $r2; ?>>HTMLデータ </label> <input type="submit" value="送信"> </form> <?php echo $html; ?> <style> form,textarea,table { display: block; margin: 30px auto; width: 70%; } input { margin-right: 5px; padding: 5px; } th,td { text-align: center; } .gray { color: #aaa; } .red { color: #f00; } .blue { color: #00f; } </style>

PHPで日付リストをHTMLデータとして返す

最後にHTMLの状態で表示できるようにしてみます。日付リストは、週ごとの配列になっているので、第一週の時に出現した1日を基準として、前月分の日付を判定できます。また最終週に含まれる翌月の日付も1日を基準にして判定可能です。

日付リストの曜日は、週ごとの配列の1番目が日曜で、配列の添字0、最後が土曜で配列の添字は6です。下記のコードでは、foreach()のas $j=>$vで$jが配列の添字、$vが配列の値になっています。

/* htmlデータで出力 */ if (gGET('type')=='html') { $html = '<table> <tr> <th class="red">日</th> <th>月</th> <th>火</th> <th>水</th> <th>木</th> <th>金</th> <th class="blue">土</th> </tr>'; /* 文字色の初期値を灰色に */ $class = 'gray'; foreach($days as $i=>$week){ $html .= '<tr>'; foreach($week as $j=>$v){ /* 第一週の時 */ if ($i==0) { /* 日付が1日 */ if ($v==1) { $class = ''; } } else { /* 第二週以降で日付が1日 */ if ($v==1) { $class = 'gray'; } } /* 初期色以外の時 */ if ($class!='gray') { if ($j==0) { $class = 'red'; } elseif($j==6) { $class = 'blue'; } else { $class = ''; } } $html .= '<td'.($class==''?'':' class="'.$class.'"').'>'.$v.'</td>'; } $html .= '</tr>'; } $html .= '</table>'; $r1 = ''; $r2 = ' checked';

さらに作成した休日判定の関数を利用すれば、休業日だけ色を変えることも出来ます。注意点として、休日は年月日の8文字で設定したので、利用する場合は、sprintf()などで日付を整形してから引数として渡す必要があります。